WordPress 7.0 がリリース。保守管理サイトへの影響と対応について

2026年5月20日、WordPress 7.0(コードネーム:Armstrong)が正式にリリースされました。

バージョン番号が6から7に変わるのは久しぶりのことで、それだけ今回は変化の幅が大きいアップデートです。管理画面のデザインが変わり、AI連携の仕組みがWordPressのコアに組み込まれ、PHPのバージョン要件も引き上げられました。

「うちのサイトはどうなるの?」と気になっている方も多いと思います。今回は主な変更点と、保守管理サイトへの対応方針についてお伝えします。


管理画面が、2013年以来はじめてリニューアルされました

WordPressの管理画面(wp-admin)が、実に13年ぶりの大規模な刷新を迎えました。

投稿・固定ページ・メディアの一覧がモダンなデザインに変わり、画面の切り替えもスムーズになります。また、Ctrl+K(Macは ⌘K)のショートカットで「コマンドパレット」が呼び出せるようになり、管理画面内の移動や操作が以前よりかんたんになります。

上部のバーには「Ctrl+K」のボタンが。ここから「コマンドパレット」が開けます

「なんか画面が変わった….!」と感じる方も多いと思いますが、投稿の追加・編集・削除といった基本的な操作は変わりません。もし更新後に操作で迷うことがあれば、遠慮なくご連絡ください。

AIと連携するための土台が追加されました

今回のアップデートの目玉のひとつが、AI連携の基盤機能です。「設定 > コネクター」という新しい画面が追加され、OpenAI・Google Gemini・Anthropic Claude などの外部AIサービスへの接続設定を、管理画面から一か所で管理できるようになります。これまでAI機能を使うには、プラグインごとに個別にAPIキーを登録する必要がありました。それが将来的には一元化される方向です。

設定の中に「コネクタ」ページが登場。外部AIと接続ができます

ただし、今すぐAI機能が自動で使えるようになるわけではありません。今回はあくまで「今後のAI連携に向けた土台が整った」段階です。実際に使う場合はAPIキーの取得と費用が発生しますし、当社で保守管理しているサイトでは、ご依頼がない限り設定は行いません。

入力中にも、まだ英語のままですが「文法修正」とか「言い換え」「文を短く」などの文章整形をAIに行なってもらえる選択肢が。

新しいブロックが3種類、追加されました

ブロックエディタには「アイコン」「パンくずリスト」「見出し(Headings)」の3種類のネイティブブロックが追加されます。また、ブロックごとにPC・スマートフォンで表示・非表示を切り替える設定もできるようになります。

さらに、過去の編集内容を視覚的に比較できる「ビジュアルリビジョン」機能も追加されました。「あの編集前はどうだったっけ?」という確認が、よりわかりやすくなります。

リアルタイム共同編集は、次のバージョンに持ち越しになりました

「複数人で同じページを同時に編集できる」リアルタイム共同編集は、当初7.0の目玉機能として開発が進んでいました。しかし、データベースのアーキテクチャに根本的な課題が見つかり、リリース直前に延期が決定。次バージョンの7.1(2026年後半予定)に持ち越しになっています。これがリリース日が4月から5月に延期された主な理由でもありました。

PHPとデータベースのバージョン要件が上がります

今回のアップデートで特に注意が必要なのが、動作環境の要件変更です。

PHPの最低要件が PHP 7.4以上 に引き上げられました(PHP 7.2・7.3はサポート対象外)。推奨はPHP 8.3です。MySQLは MySQL 8.0以上、またはMariaDB 10.6以上が必要になります。

要件を満たさない環境では、WordPress 7.0への自動更新が提供されず、現行の6.9系に留まります。(現在のPHPバージョンは「ツール > サイトヘルス > 情報 > サーバー」から確認できます)

特に慎重な確認が必要なのは、こういったサイトです。

  • 長期間WordPressやプラグインを更新していない
  • PHP 7.3以前で動作している可能性がある
  • フォーム・予約・決済・会員機能などを使っている
  • ページビルダー(Elementorなど)を利用している
  • 独自カスタマイズが多い

こうしたサイトでWordPress本体だけを先に更新してしまうと、表示崩れや機能停止につながるケースがあります。まずはご連絡ください。

当社の対応方針

メジャーバージョンのアップデートは、プラグインや既存の設定との相性を必ず確認してから実施するのが基本です。今回は管理画面の構造変更が大きいため、特にプラグインの互換性問題が起きやすいリリースでもあります。

そのため、以下の手順で進めます。

まず各サイトのPHPバージョン・MySQLバージョン・WordPress本体・プラグイン・テーマの構成を確認し、更新リスクを整理します。
次にステージング(テスト)環境でアップデートを実施し、投稿・固定ページの編集動作、管理画面の表示、フォーム送信、カスタム投稿・カスタムフィールドの動作、スマートフォン表示などを確認します。
問題がないことを確認できたら、バックアップを取得して本番環境へ反映。反映後は48〜72時間ほど動作を確認する期間を設けます。

なお、PHPバージョンの引き上げや古いプラグインの整理が先に必要になるサイトもあります。その場合はWordPress本体の更新だけでなく、サーバー環境やプラグイン構成の見直しをあわせてご提案することになります。

個別のご対応スケジュールについては、担当よりご連絡いたします。気になる点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。

今後の見通し

WordPress 7.1では、延期になったリアルタイム共同編集が正式に導入される予定です。また、今回のAI連携基盤が整ったことで、プラグインを通じた文章補助・画像最適化・コンテンツ生成など、実用的なAI活用が広がっていく見込みです。バージョンの動向については、今後もこのブログでお知らせしていきます。